先生の悩みインタビュー~休職の経緯と復帰プログラム①~

今回は実際に休職を経験した先生に、その経緯と復帰に至る過程を伺いました。


――現在はどのように過ごされていますか?


元の職場に復職し、これまで通りの職務をしています。ただ、分掌(学校を運営する上で必要な業務分担)等では、体調が良くない時には周囲の先生に代わってもらったり、調子が悪くなった時は休みをもらったり(その間の体制確保を管理職や支援学級の他の担任の先生にしてもらっている)しています。


それでも体調が悪くなると、病気になった当初ほどの症状ではありませんが、頭が文字通り「真っ白に」なり、「思考停止」になってしまいました。余計なこと、ぐちゃぐちゃ悩んでしまうことに思考がぐるぐると振り回され、エネルギーを使い果たしてしまいます。結果、本当に考えたいことにエネルギーが回らなくなって、「真っ白に思考停止」してしまいます。同時に身体の疲労も著しくなり、身体疲労や倒れ込み、起きられないなどの身体症状が起こることにより、精神的にも不安定になってしまうこともあります。


休職中に行なっていた水泳は、平日はプールに行く力がなく、休日も家で休むことが多いため、なかなか行けなくなってしまいました。平日に溜まった疲れを土日で回復させる、という感じですね。


ただ平日の夜や休日になれば妻と一緒に録りためたドラマやアニメを見たり、溜まった家事をしたりするなどリラックスして過ごしていますし、10月ころからは、土日のどちらか1日くらいは勉強会に参加できるようになりました。少しずつ体力が戻ってきた感じがしています。

――休職に至ったきっかけがありましたか?


自分自身で原因を振り返ったときに、大きなアクシデントが存在していたようには思えませんでした。特定の人間や具体的な出来事があったわけではなく、自分自身の特性やプライベートでの出来事、子どもたちとのかかわり方など、ちょっとしたことが積み重なっていったのかな、と。


勿論、休職というアクションを取る前にはいくつか印象的な出来事はありました。ただ明確なきっかけが存在しなくとも、予期しない巡り合わせや自分でも気づいていない部分から不調が始まっていたのかもしれません。


――大変な思いをされていましたね。休職をされている期間に、考えたり、何かに気づいたりすることはありましたか?


大きく言うと、「自分の性格や特性」、「過去の捉え直し」、「自分なりの人との付き合い方」をじっくり考え、自分なりの言葉で言語化できたことが発見だと思います。これまで傷ついたことのあった過去を、自分自身で慰めることができるようになったり、「あの時は辛かったんだ」と捉え直すことができるようになったりしたことも、気づきの一つですね。


また、受診をする中で心理検査をすることもありました。その結果を元に担当心理士の先生からフィードバックを受けたのですが、その時に「あなたの知性を、ものごとをよりよく捉えることに活かしてください」と言われたことが、自分のことをとても肯定してもらっていると感じました。


周囲の人から「あまりに根を詰めて考えるのはよくない」と言われることがあって気にしていましたが、(もちろん、何でもかんでも気にし過ぎるのは良くないと思えます)自分のことを、検査で心理的・科学的に肯定してもらえたことが、自分に自信をもつことにもつながったのではないかと思いますし、この期間があったからこそ気づけたことだと考えています。


(次回へ続く)

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